エコー検査を職場以外で身につけるには?
臨床検査の世界は奥深く、どの分野も学びがいがあります。
ですがやはり、エコー検査を身につけたい!という方は多いのではないでしょうか?
臨床検査技師だけじゃなく、医師や診療放射線技師からも学びたいという話は聞くね。
私自身は不純な動機でエコーを学び始めましたが、やりがいの面でも待遇の面でも魅力的なのは確かです。
「エコー検査がやりたい」という理由で転職を考える技師も少なくありません。
今の職場ではエコー検査担当じゃないし…やれる職場に転職したいけど未経験OKのところが見つからないよ…。
そうだね。
特に転職となると、即戦力になる経験者の募集が多いんだ。
エコー検査は身につけるまでに時間がかかるからね…。
そうなんです。
実際に転職活動をしてみると、求められているのは経験者ばかり…。
未経験でもOKです!と謳っている職場は、エコーを教える気はなかったり、まずはその他の検査をマスターしてから…なんて言われたり。
入職はできたものの、技師は自分一人で指導者がいない…というパターンもたびたび聞きます。
正直なところ、エコー検査は働きながら先輩技師や医師の指導を受けつつ学ぶのが1番であることは否定できません。
ですがそれが叶わない環境の時。
職場以外にエコーを学べる場所はないのでしょうか?
実は…あるんです!
今回の記事では、職場以外でエコー検査が学べる場所をご紹介します!
エコー検査を専門とする学会で学ぶ
エコーを学びたいのであれば、まずはエコー検査を専門とする学会や研究会に入ってみましょう!
学会誌で最新の知見を学べますし、年次総会などの集まりでは他施設でエコー検査を行う医師や技師と交流することもできます。
年会費や学会参加費はかかりますが(コメディカルは各7000~8000円ほど)、発表を行うことでキャリアアップにも繋がります。
ここでは代表的な学会をいくつかご紹介します!
日本超音波医学会
「医学会」とありますが、実際は医師だけでなくエコー検査に携わり、学びを深めたいたくさんの臨床検査技師や診療放射線技師、看護師などが所属しています。
年次総会ではあらゆる領域に関するセッションが開かれ、ハンズオンでの講習も数多く開催されます。(ただし人数は多く、時間も限られていることが多いです)
医療機器や製薬のメーカーも多数参画し、企業ブースも華やかです♪
2024年度の総会は5/31(金)~6/2(日)の3日間にわたり、
横浜のパシフィコ横浜 会議センター(神奈川)で開催されます!
地方会も多く開催されるので、遠方の方はそちらに参加するのも良いと思います!
日本超音波検査学会
こちらも多くの領域をカバーした大きな学会です!
上記の日本超音波学会との違いはその中心が技師であること。
運営も技師であることから、手技の向上やクオリティの担保などの力を入れた活動をしています。またe-learningも充実しており会員になると見放題です♪
2024年度の総会は7/19(金)~21(日)の3日間にわたり、仙台国際センター(宮城)で開催されます!
セッションやハンズオン講習はもちろん、画像コンテストなど、楽しい企画もあります。
いろんな都市で開催されるので、ついでに観光するのもありだよ~
日本心エコー図学会
先に挙げた二つの学会があらゆる領域のエコー検査を対象としているのに対し、こちらの学会ではその名の通り心臓のみを対象としています。
例えば循環器専門の病院などで、心エコー一筋!というような場合は、このような専門学会の方が深い話を無駄なく聞ける可能性が高いです。
また学会に所属することで講習会費が安くなる、優先的に受講できるなどのメリットもあります。
こちらの学会では先にあげた日本超音波医学会認定の超音波検査士(循環器領域)より更に基準の厳しい「心エコー図学会認定専門技師」という制度も設けています。
日本脳神経超音波学会
こちらはエコー検査の中ではまだまだマイナーな分野「脳神経エコー」の専門学会です!
とは言え、脳卒中を中心とした血管エコーのプロフェッショナルが集まり、有意義なセッションが展開されています。
2023年度の総会は6/16(金)~17(土)の2日間にわたり、日本教育会館(東京)で開催されます!
他ではあまりやる機会のない経頭蓋エコーなどのハンズオン講習もあります
ここで紹介したのは本当にほんの一部!
専門分野や地方別にたくさんの学会や研究会が開催されています
勉強会やスクールで学ぶ
学会以外にも社団法人や企業がたくさんの勉強会を開催しています。
またハンズオンと言われる実技スクールもあり、学会よりも少人数できめ細やかに教わることができます。
初心者でも丁寧に教えてもらえますが、実技スクールは値段がそれなりに高いことが多く、確認が必要です。
超音波検査フォーラム
超音波検査フォーラムは「医療における実践的な超音波検査法の検討と検査技術者の育成・研修を目的とする研究会」です。
定期的にライブ配信による講義や実技中心のハンズオンスクールを開催しています。
US-Lead
US-Leadは東京・岡山・福岡の3拠点で少人数での実技スクールを数多く開催する企業です。
日本超音波医学会認定の超音波検査指導医や各領域の超音波検査士が、教科書には載っていない技やコツを丁寧に教えてくれます。
定員は1名~4名と徹底した少人数制なのでリラックスした雰囲気で受講可能です。
またエコー淡路という、もはや学会と言っていい規模の心血管エコーの勉強会を毎年開催しています。
US-ism
US-ismは東京・仙台・福岡を拠点として実技スクールや講習会、超音波検査士対策セミナーなどを開催している企業です。
マンツーマンでの実技スクールはかなり高額ですが、それでも細やかな指導を求める受講者が一定数います。
初心者にも分かりやすく丁寧な「教える技術」を持ったスクールです。
くまのこ検査技師塾
くまのこ検査技師塾では「臨床検査技師の未来の形をサポートする」をビジョンに掲げ、検査技師のための実技スクールやオンライン講習会を数多く開催しています。(もちろん、臨床検査技師以外の医療者の受講も可能です!)
実技スクールの開催地は埼玉県に限定されるものの、少人数制(最大4名)・講師は認定超音波検査士にも関わらず、他のスクールに比べると圧倒的な低価格で受講できます。
他病院で学ぶ
最後は他の病院での研修を受ける、という方法です。
申し込みなどの点で学会やスクールよりもハードルは上がりますが、継続的に教えてもらえる施設や実際にそこの患者さんの検査をさせてもらえる施設もあります。認定超音波検査士受験に必要な症例集めで利用する技師もいます。
私は自施設では学べない心エコーや乳腺エコーを、研修生として他病院で学ばせてもらったよ!
自施設・両施設の承認が必要なことが多く、自分でその調整や書類作成をする手間をかかりますが、実際に患者さんを見せてもらえるメリットは計り知れません…。
日本超音波検査学会では、研修可能な施設のリストを掲載していますので要チェックです!
・感染症の影響で研修内容や可否が変わる可能性は多分にあります。
まずは受け入れを行っているか、必ず問い合わせましょう。
それぞれのメリットとデメリット
ここでいったん、メリットとデメリットのまとめです。
講義型講習 | 実技型講習 | 費用 | その他 | |
---|---|---|---|---|
学会 | 研究発表や 講義が聴ける | 総会に参加することで時間も短め | 人数が多く、年会費+総会参加費 | 会誌やガイドラインになるような テキストが定期的に 送られてくる |
スクール | 数多くある | 単発の講習が半日~1日、時間をかけて学ぶ | 少人数でオンライン講義で1000円~3000円 実技は11000円~100000円 | オリジナルテキストなどの配布がある |
他病院 | 院内職員向けが多い | 患者さんを見れることも | ほぼマンツーマン無料~数十万円まで 期間も交渉次第 | 申し込みのハードル高め |
どれを選ぶにしろ、たくさんの団体・企業・施設があるので一概には言えませんが…
勉強をして損はない事だけは確かです。
職場でエコー検査を学べないからといって諦めず、
自分に合った学ぶ場所を探してみましょう!
エコーをより早く身につけるために
ここで紹介した場所が有益なのは確かですが!!
行く前の予習はめちゃくちゃ大事ですよーーーーーー!!!
全領域が網羅されたエコー検査の入門書だよ!!
未経験なら、まずはこの1冊がおすすめ!!
これがあれば、エコーでは何がどう見えるのかが分かるね!
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