採血時に、医師に聞き忘れた血液検査の意味を聞きたかったり
エコー検査をされながら、一体に何が映ってるのかを知りたかったり……そんな経験はありませんか?
検査のことなんだから、臨床検査技師に訊いたって良いような気もしますよね。
でも実は…
お答えできることとできないことが法律で決められているんです……‼
どんなことはOKで、どんなことは無理なのか。
病院で働く臨床検査技師である森居あんみが解説します!
臨床検査技師は結果説明はしない
臨床検査技師は患者さんの検査を行っているので、当然その検査結果を知っています。
ですがその結果の説明をするというのは診断、すなわち「医業」にあたると考えられます(医師法17条)。
そのため、検査結果の説明ができるのは医師のみです。
臨床検査技師が患者さんに結果説明をすることはありません。
患者さんに訊かれると答えてしまいたくなるけど…
それが医師が行う診断・治療に繋がっていく行為である以上、
臨床検査技師からお答えすることはできません。
臨床検査技師がご説明できるのは、こんなこと!
とは言え!
臨床検査技師も検査実施以外のすべてを医師に丸投げにしているわけではありません!
日本臨床衛生検査技師会では検査説明・相談ができる臨床検査技師育成事業も行っており、
検査に関する以下のようなことは、全力でお答え致します!
①検査の意義
採血、採尿、心電図、エコー、脳波、CAVI…たくさんの検査がありますが、一体何のためにやってるのか、そもそも何を見てるのか…よく分からないことってありませんか?
中には名前からして聞いたこともないようなものもありますよね。
いったいこれは、何のための検査なの?
そう思ったときは、その場にいる臨床検査技師にたずねて下さい。
何をとおして、どんなことが分かるのか。
血液検査の項目の一つ一つに至るまで、ご説明します!
②検査の方法
慣れない病院で、慣れない検査…ちょっと怖いことってありませんか?
どんなことをするのかな…痛いことだったらどうしよう~…
使う装置、方法、痛みの有無、検査にかかる時間や検査後の過ごし方…
検査方法で疑問に思ったことは、なんでも聞いてくださいね♪
③検査の基準値
臨床検査技師は検査結果についてご説明することはできませんが…
検査の基準値について説明することはできます。
例えば
血糖値は90mg/dlって結果だけど、これは高いの?低いの?
というような質問には、
空腹時の採血でその値なら、基準値内ですよ!
という感じで間接的にお答えすることができます。
ただし!
「だから治療はいらない」「これは今後も検査に来た方が良い」などの
診断や治療に関わることは言えません!!
必ず医師からお話を聞いてください!!
まとめ
というわけで最後にざっくりとまとめますと…
- 検査の意義・内容・方法は臨床検査技師に訊いてOK!
- 検査結果は基準値についてのみOK!
- その結果だとどんな病気なのか、治療が要るのか…などの診断は医師のみ!
基本的に検査前~検査中に起こることは、訊いてもらって大丈夫です!
結果説明は、必ず医師から受けましょう!